給与を構成する手当の仕組み
国家公務員の給与は、計算の基礎となる「俸給」に、複数の手当を組み合わせて計算されます。 ここでは給与計算機で使われている各手当の概要をわかりやすくまとめました。 なお、手当には非常に多くの種類があるため、比較的多くの方が該当していると思われるものに絞って紹介しています。
俸給
手当ではありませんが、重要なので紹介します。
国家公務員の給与算定の基礎となる金額です。金額は「俸給表」と呼ばれる給与テーブルの中で、 「職務の級」(役割の重さ・責任の大きさに応じた区分)と「号俸」(同じ級内のより細かい段階)の組み合わせによって決まります。
俸給表には行政職俸給表(一)(多くの事務系職員が対象)のほか、指定職俸給表(事務次官・局長級など)、 公安職・教育職・医療職・研究職などの俸給表があり、職種によって適用される表が異なります。
昇格(職務の級が上がること)が行われると、役職が上がるとともに新しい級の中での号俸に読み替えられます。
昇格とは別に、号俸は、年に一度、1月1日に「昇給」が行われます。例えば、多くの職員が該当する行政職俸給表(一)の7級以下の職員の場合、勤務成績が標準の「良好」であれば4号俸昇給し、「優秀」なら6号俸、 「特に優秀」なら8号俸というように、評価が高いほど昇給幅が大きくなります。
なお、本計算機は、現時点で行政職俸給表(一)と指定職俸給表に対応しています。
俸給の特別調整額(管理職手当)
本府省の課長・室長級以上など、管理監督の立場にある職員に、支給される定額の手当です(人事院規則九―一七)。
この手当を受け取る職員は、原則として超過勤務手当の支給対象外になります。
行政職俸給表(一)の4級以上の職員が対象で、区分(一種〜五種)に応じて金額が決まります。
| 職務の級 | 区分(金額の高い順) |
|---|---|
| 10級 | 一種 139,300円 |
| 9級 | 一種 130,300円/二種 104,200円 |
| 8級 | 一種 117,500円/二種 94,000円/三種 82,200円 |
| 7級 | 二種 88,500円/三種 77,400円/四種 66,400円 |
| 6級 | 三種 72,700円/四種 62,300円/五種 51,900円 |
| 5級 | 四種 59,500円/五種 49,600円 |
| 4級 | 四種 55,500円/五種 46,300円 |
地域手当
民間賃金の地域差を給与に反映するための手当です。物価や民間賃金水準が高い地域ほど 支給割合が高くなり、勤務地ごとに6段階の「級地区分」が定められています。
| 級地区分 | 支給割合 |
|---|---|
| 1級地 | 20% |
| 2級地 | 16% |
| 3級地 | 12% |
| 4級地 | 8% |
| 5級地 | 4% |
| 非支給地 | 0% |
地域手当額 =(俸給 + 俸給の特別調整額 + 扶養手当) × 支給割合(小数点以下切り捨て)で 計算します。
※制度見直しの経過措置期間中のため、 市区町村単位で1%刻みの割合が設定されている場合があります。
扶養手当
子や父母等を扶養している職員に支給される手当です。子は年齢によって金額が異なり、16歳以上22歳以下 の子には加算があります。 なお、配偶者に対する手当は既に廃止されています。
| 対象 | 手当額(1人あたり月額) |
|---|---|
| 子(15歳以下) | 13,000円 |
| 子(16歳以上22歳以下) | 18,000円(基本額13,000円+加算5,000円) |
| 父母等 | 6,500円 |
父母等の手当額は、行政職俸給表(一)の8級職員は3,500円に減額され、9級以上の職員には支給されません。
住居手当
借家・借間に住み、実際に家賃を支払っている職員に支給される手当です。持ち家の場合は対象外です。
毎月の家賃額に応じて、次の式で計算します(支給額の上限は28,000円で、100円未満切り捨て)。
| 家賃(月額) | 金額 |
|---|---|
| 16,000円以下 | 0円(支給なし) |
| 16,000円超〜27,000円以下 | 家賃 − 16,000円 |
| 27,000円超 | 11,000円 +(家賃 − 27,000円)× 1/2(上限28,000円) |
本府省業務調整手当(本省手当)
霞が関などの本府省で勤務する職員に支給される手当です。 職務の級に応じて金額が決まります。
| 職務の級 | 金額 |
|---|---|
| 1級 | 9,200円 |
| 2級 | 10,800円 |
| 3級 | 19,500円 |
| 4級 | 24,100円 |
| 5級 | 47,400円 |
| 6級 | 49,200円 |
| 7級以上、指定職 | 51,800円 |
期末手当・勤勉手当(賞与)
いわゆる「ボーナス」で、6月と12月の年2回、期末手当と勤勉手当として支給されます。
- 期末手当:在職期間に応じて一律に支給される部分です。支給月数は 職員区分(一般職員/特定管理職員/指定職職員)ごとに異なります。
- 勤勉手当:人事評価(勤務成績)に応じて支給割合(成績率)が変わる 部分です。成績区分は「特に優秀」「優秀」「良好」「良好でない」の4段階があります。
例:令和8年6月期の勤勉手当における成績率の一覧
| 成績区分 | 一般職員 | 特定管理職員 | 指定職職員 |
|---|---|---|---|
| 特に優秀 | 125.25/100〜 | 149.25/100〜 | 該当なし |
| 優秀 | 113.75/100〜 | 134.75/100〜 | 115/100〜 |
| 良好 | 102.25/100 | 122.25/100 | 101.5/100 |
| 良好でない | 93.75/100以下 | 112.75/100以下 | 93/100以下 |
「特定管理職員」とは、俸給の特別調整額の区分が一種・二種の職員(本府省課長等)を指します。 三種以下の職員は、賞与の計算上は一般職員の支給月数・成績率が適用されます。
成績率は明示されないこともあります。給与明細の支給額から成績率を逆算することも可能ですので、 興味のある方は勤勉手当の成績率を逆算もあわせてご利用ください。
超過勤務手当(残業代)
正規の勤務時間を超えて働いた分に対して支給される、いわゆる残業代です。時間単価は 「(俸給+俸給に対する地域手当)×12か月 ÷ 年間所定勤務時間(週38時間45分×52週=2,015時間)」 で計算し、勤務した区分(平日/休日、深夜/深夜以外)に応じた割増率を掛けます。また、月の超勤時間が 60時間を超えた場合には、60時間を超えてからの超勤時間分の割増率が上昇します。 なお、超勤手当の計算で用いられる地域手当額には、扶養手当分が含まれていないことに注意が必要です。
| 区分 | 月60時間以下 | 月60時間超 |
|---|---|---|
| 平日の時間外(22時まで) | 125% | 150% |
| 平日の時間外・深夜(22時〜翌5時) | 150% | 175% |
| 休日勤務(22時まで) | 135% | 150% |
| 休日勤務・深夜 | 160% | 175% |
※60時間超過前、60時間超過後の勤務時間をそれぞれ4区分に分けて入力するのは煩雑なため、本シミュレーターでは簡単のために、一律で平日の22時以前の超勤のみ実施したものとみなして計算しています。 なお、平日22時以前と22時以降ではいずれも割増率が25%で変わらないため、どちらで25%の割増がかかったとしても、四捨五入の差を除いて同じ結果になるものと考えられます。
「俸給の特別調整額(管理職手当)」を受け取っている管理監督職員は、 超過勤務手当の支給対象外です。ただし、管理監督職員が休日や深夜に勤務した場合には 「管理職員特別勤務手当」が支給されることがあります。
関連資料
- 令和8年人事院勧告 - 人事院
- 国家公務員の諸手当の概要(PDF) - 人事院
- 国家公務員の給与(令和8年版) - 内閣人事局